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改めて、甲状腺について

もう一度、ももの状態を把握するために、獣医師さんの書かれた内容を確認しました。

+ + +

甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの過剰により多臓器に傷害をだす疾患です。猫に多い疾患です。この疾患は人で言うバセドー氏病です。人のバセドー氏病は若齢でおきますが猫は高齢になってでる傾向があります。

大多数の猫の甲状腺機能亢進状態は、ゆっくり進行します。また、食欲が良好に維持され、年齢の割には活発(あるいは過度に活動的)なため、ほとんどの飼い主は病気に気が付かないことが多くみられます。そのため病院に連れて行かなかったので症例が少ないと考えられています。

また最近の獣医師は甲状腺ホルモンを測る方が多くなりましたが、以前は殆ど測られていなかった事情もあります。10歳以上の猫では3割位の猫がこの疾患にかかっているのでは?と報告している獣医師もいます。愛猫が元気でも、以下にあてはまる症状があったらぜひ動物病院にご相談下さい。

どのような場合動物病院へ?自宅で観察される症状
・うちのネコ、年寄りなのに急に元気になった。よく食べる。
・たしか避妊・去勢をしていたはずなのに、年を取ってから発情しはじめたように興奮する。
・10歳以上の年老いたネコが、なぜか眼がぎらつき、呆れるほどに動きが活発になってきた。
・なぜか食欲が増してきて、ガツガツ食べる。しかし体重はかえって減ってきた。
・このごろ妙に飼い主の体にまとわりつく。毛がところどころ抜けてまだらになった。でも皮膚の状態は悪くない…

よく食べるにもかかわらず猫が痩せてきたり、最近少し性格が変わったかな?と思ったら、甲状腺機能亢進症を疑うべきである。高齢猫で健康診断をするなら、ぜひ甲状腺ホルモンを測定してもらって下さい。

このような状態が甲状腺亢進症で起きていたならば、放置すると猫は短命に終わります。甲状腺機能亢進症は多臓器に傷害をだします。突然死もあります。また心臓に障害が及んだ場合は不可逆的です。診断は比較的簡単です。必ず動物病院を訪れましょう。

甲状腺機能亢進症の歴史
1980年頃からニューヨークを中心に増加した疾患です。原因は不明とされています。アメリカでは1970年ごろからキャットフードを食べさせる週間ができました。これらのキャットフード飼育猫が10歳になっておきた病気なので、餌が考えられました。

しかし餌が改善された現在でもおきています。またニューヨーク、シカゴなど都会での発生が多いせいか大気汚染、毒物説、甲状腺誘発物質説など様々な説があります。アメリカの風土病という風評もありましたが、日本でも平成4年、大阪で初めて発見され、学会に報告されました。以後、各地で多数の症例が認められるようになりました。

年齢
甲状腺機能亢進症は7ヶ月~22歳(平均13歳)の猫に起こり、患猫の95%は10歳以上で、品種・性別による好発性はないとされています。しかし他の研究者は高齢の猫に確かに多いが、若い猫での発生もときどきあると報告している方もいます。 

症状の統計 獣医師の見解
最も一般的な症状

ヒストリーから(アメリカ83年のデータ)
●体重減少88%(カロリー消費激しい)
●食欲の増加(多食)49%
●嘔吐44%(急な多食のため嘔吐する)
●多飲多尿36%
●活動亢進31%
●食欲減退16%
●下痢15%(腸運動の亢進)
●活動減退12%
●虚脱12%
●呼吸困難10%

ヒストリーから(アメリカ93年のデータ)
●甲状腺腫大83%
●体重減少65%
●心雑音53%
●頻脈42%
●ギャロップ15%
●運動性亢進15%
●過剰攻撃10%

検査体制が進むにつれて、初期的な症状が表れてくるようになった。甲状腺腫大は日本の猫では少ない。

着目する点
・猫がおちつきない。
・ケージに入っているのに眼をぎらぎらさせている。
・ストレス時の虚脱、呼吸困難など。

身体検査
甲状腺の腫大-50%
神経過敏や行動の変化、凶暴(過剰行動)-34-76%

心臓
心臓が大きくなる肥大型心筋症とよく似ている。心肥大は治療不可能。左室の2次性の肥大。左心系の拡大・中隔肥大(3-3.9mmグレーゾーン・4mm厚い)がおきる。

腎臓
腎血流量の増加、糸球体濾過量の増加、尿細管吸収増加。多尿は甲状腺ホルモンの影響。腎臓悪い場合、甲状腺機能亢進症を治すと腎不全がでることがある。
この場合、低用量からチアマゾールを始める必要がある。

呼吸器
呼吸器障害。パンテング。過呼吸(ストレス、)
若齢での発生は頻脈や頻回の鼻血と言った症状に甲状腺機能亢進症が報告されている。

甲状腺の解剖
猫の甲状腺は分かれた2葉からなり、正常なら 5番目~6番目までの気管輪に接している。 正常な猫の甲状腺葉は長さ約2cm、厚さ約0.5cm、幅が0.3cmであり、2葉の重さは0.1~0.3gである。

甲状腺ホルモンの作用
甲状腺は内分泌器官のひとつで食物(主に海産物)に含まれているヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成している。甲状腺ホルモンは生体内唯一のヨウ素有機化合物で、摂取されたヨウ素は甲状腺ホルモンの合成のためのみに利用される。猫におけるヨウ素の1日あたりの必要量は100ugである。
ほとんどの市販キャットフードには、推奨量を給与した場合に少なくとも最小必要量の3~5倍が含まれている。このためヨウ素欠乏症は、猫には極めて少ない疾患である。

甲状腺ホルモンとは
食物として摂取されたタンパク質、脂肪、炭水化物は代謝されて体の組織を作るのに利用されたり、エネルギーになったりするが、甲状腺ホルモンにはこうした新陳代謝の過程を刺激したり、促進したりする作用がある。熱産生や組織代謝に密接に関連して、動物の生命活動に無くてはならないホルモンである。

甲状腺ホルモンの種類
T4:サイロキシン(テトラヨードチロニン血漿中輸送型
T3:トリヨードチロニン=細胞内で出来る活性型
rT3:トリヨードチロニン=不活性 甲状腺では主にT4を作り、T4が肝臓などでT3になりホルモンの働きを発揮する。

病理
甲状腺腺腫や腺腫様過形成が最も多い(約98%)。腺癌は罹患猫の2%に認められ、転移する事がある。甲状腺の異常は、片側または両側性に発症するが、約70%は両側性である。

診断
診断スクリーニング検査
CBC赤血球増加、MCVの高値が見られる。
生化学ALT・ALPの増加・ALT 感度100% 特異性39%・ALP 感度83.3% 特異性82.9%
確認検査甲状腺ホルモンT4測定 甲状腺ホルモンT4(正常範囲0.2~3.0u

甲状腺ホルモンT4(正常範囲0.2~3.0ug/dl)
>4 ug/dl  かなりうたがわれる
3-4 ug/dl  可能性あり 注意1)
2.5-3 ug/dl   不明
<2 ug/dl   ありそうもない


甲状腺ホルモンは日内変動あり。猫は夜行性なので夜高い。また若ければ増えるし、年をとれば減る。運動すればあがるし、静かならさがる。寒ければ上がる。病気で寝ていれば代謝率さがる。よく様子をみながら、どこに線を引くかが問題。甲状腺の症状があるかないかを検討する。

注意1)まぎらわしい時は数回測定。またはTRH負荷試験 TRH 0.1mg/kg iv PREと4時間後を測定。正常では2倍の増加。亢進症では不変。しかし嘔吐など副作用も多い。

オダガワ動物病院 猫の診療カルテ 猫に多い病気 1・甲状腺機能亢進症 より一部を引用しました

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1997年生まれ
毛色:茶色
好きなこと:
玄関脇のかさぎから空を眺めること、柿の木に登ること。

*このブログについて
(by ロングテイル)
物心ついた時から猫が大好きで、猫とともに暮らして30年以上。
2006年秋、もも(当時9歳)が鼻腔内リンパ腫と乳腺癌を同時に発症。
猫の病気や食事のあり方についての理解不足を反省し、このブログを作りました。特に、鼻腔腫瘍に対する放射線治療、乳腺切除手術と回復の過程について書いています。そのほかに、治療後の様子や日々感じたこと、病気について調べたことなどを書きとめていきます。

*主な内容は次のとおりです。
 ・鼻腔内リンパ腫の治療と予後
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