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がん治療とQOLの6つのパターン

動物は自分がどうしたいのか、ことばで飼い主に伝えることはない。でも、きっと動物なりに今日は病院に行きたくないとか、きのうより今日のほうがだいぶ気分がいいとか、また診察台の上で不安を感じてもいるだろう。

今までどおり、元気でいてほしい。でもそれがかなわなくなったら… 積極的な治療を考える際に、QOLの概念は動物においてもたいへんヒントになるように思う。

+ + +

私の座右の書に佐藤武男先生(注)が著した「闘うがん、闘ってはいけない癌(がん)」(徳間書店、1997年刊)があります。その本では、がん治療とQOLに六つのパターンがあるとしました。

多少、原文に手を加えてありますが、次の通りです。
 (1)全く治療せず、自然死を待つ。
 (2)積極的な治療により、一時QOLの低下がみられたが、最終的に生存した。
 (3)積極的な治療により、一時QOLの低下がみられたが、QOLの良化と一定の延命があった。
 (4)積極的な治療により、一定の延命は得られたが、QOLの改善はなかった。
 (5)積極的な治療により、延命もなくQOLも低下したままであった。
 (6)積極的な治療を行わず緩和ケアを受けることにより、QOLがよくなった。

がんの治療とは、QOLを一時的に低下させることである、ということがみえてきます。読者の皆さんのほとんどは、がんの治療というのは、苦しい思いをすることであると直感しておられることでしょう。残念ながら、この直感は間違ってはいません。

(1)と(6)は似ていますが、緩和ケアを受けると受けないでQOLが違います。

(2)の場合を詳しく説明します(図)。たとえば、手術でがんを切除しますと、がんのある臓器の全部または一部を一緒に取ってきます。

QOLの低下は、手術でキズをつけることと臓器の生理的機能(はたらき)が損なわれることが原因でおきます。手術のキズは数週間で回復しますが、生理的機能はなかなか元には戻りません。よく低侵襲(しんしゅう)手術と言いますが、これには、手術のキズを小さくすることと臓器を小さく摘出するという二つの意味がありますので気をつけて下さい。

放射線治療の場合は、臓器を取ることはないのですが、がんを放射線で治療すると同時に、がん周囲の臓器もキズがつきQOLの低下がみられることがあります。治療中におきることが多いですが、多少時間がたってからキズがはっきりすることもあります。抗がん剤治療の場合も同様に、治療によるQOL低下がおこります。しかし、これらの治療法により、がん細胞がなくなり、かつ臓器の機能が少しでも保たれていれば、その状態に慣れることでQOLの低下をおさえ、治癒することができます。

(3)では、残念ながらがん細胞をなくすことができなかったが、再発までの時間を稼ぐことができた場合です。

(4)と(5)は積極的な治療が裏目に出た場合です。残念ながら、このような事例は決してまれではありません。背景として、日本人は米国人よりも最後まで積極的治療を望む傾向があるという報告があります。しかし、QOLの低下している状態で、イチかバチかというがんの治療はありません。

(6)のように緩和ケアによりQOLを良くしながら、終末期を過ごす方が、かえって積極的な治療を受けるよりも延命することがあります。

このように書きますと、読者のみなさんはがん治療を受けることが、こわくなってしまったかもしれません。しかし、多くの方ががんの治療を受けられて生存し、延命しています。QOLの低下のしかたは治療法によって違います。逆にいえば、低下したQOLに耐えられる治療法が標準治療として選択されて残っています。ただ苦痛のみを与える治療法は治療とはいえません。またQOLの低下をやわらげるさまざまな方法が開発されてきています。わたしたち医療人は、患者さんのがんの状態、体の調子や治療後のQOLの低下をも考えた上で、最良かつ適切な治療法を提供しております。

万一、がんにかかった場合、まず「今の医療は昔より格段に進歩している」「医学医療は日進月歩である」ことを肝に銘じ勇気を持ってがんの治療に向かっていただきたいと思います。ただし、何でも前に進めばいいというものではありません。治療を受けることにより「とく」することと、「そん」することを担当医から聞いて、納得して治療を受けて下さい。「納得ずく」、いちばん大切な言葉です。(以下、省略)

〈注〉佐藤武男 大阪府立成人病センター名誉総長。数多くの頭頸(けい)部悪性腫瘍(しゅよう)を治療した。
(図)太線は積極的な治療により一時、QOLの低下がみられたが、最終的に生存した例。がんの診断と治療後の余命を横軸に、QOLを縦軸にあらわした=佐藤武男「闘うがん、闘ってはいけない癌」(徳間書店 1977)より

asahi.com > 弘前大企画 がんの話 > (26)生活の質(弘前大学大学院放射線科学講座教授 阿部由直先生/2008年05月23日)より一部を引用しました

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1997年生まれ
毛色:茶色
好きなこと:
玄関脇のかさぎから空を眺めること、柿の木に登ること。

*このブログについて
(by ロングテイル)
物心ついた時から猫が大好きで、猫とともに暮らして30年以上。
2006年秋、もも(当時9歳)が鼻腔内リンパ腫と乳腺癌を同時に発症。
猫の病気や食事のあり方についての理解不足を反省し、このブログを作りました。特に、鼻腔腫瘍に対する放射線治療、乳腺切除手術と回復の過程について書いています。そのほかに、治療後の様子や日々感じたこと、病気について調べたことなどを書きとめていきます。

*主な内容は次のとおりです。
 ・鼻腔内リンパ腫の治療と予後
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