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寛解とクオリティ・オブ・ライフ
寛解に達すると、動物のクオリティ・オブ・ライフ(QOL;生活の質)はかなり高く維持されます。抗がん剤を用いた治療では、いかにこの寛解期間を長く維持させるかが重要な点となります。しかしながら、寛解は根治とは異なり、肉眼的にがんは消えても、目に見えないごくわずかの生き延びたがん細胞が徐々に増え、多くの場合再び大きながん組織として表れます。
このような場合、がん細胞は、それまでに投与された抗がん剤に対し耐性を獲得していることが多いため、異なる種類の抗がん剤を使うことで、再び寛解が得られることもありますが、長期にわたり寛解を維持することは非常に困難です。抗がん剤による治療では、治療効果と副作用のバランスをいかに上手にとっていくか、そしてその結果、高いクオリティ・オブ・ライフをどれだけ長く維持できるかが重要です。
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『ペットががんになった時』(鷲巣月美 編 三省堂)p128-129より一部を引用しました
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