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病理検査結果報告書
病理診断
乳腺腫瘤:リンパ管転移を伴う乳腺癌
顕微鏡検査所見
乳腺腫瘤:真皮から皮下組織にかけて、周囲を皮膜で覆われない境界不明瞭な腫瘤が観察される。腫瘤を構成する細胞は、少量の線維性結合組織に区画され、不規則な腺腔状、嚢胞状、索上構造を形成している。これらの細胞は、個々の境界不明瞭、円柱状、多角形と多形態を呈し、少量~中等量の好酸性細胞質を有する。核は類円形、楕円形、明瞭な核小体を1~2個有し、クロマチン微細顆粒状、核分裂像を散見する。一部のリンパ管内には、腫瘤細胞の浸潤が認められる。間質には、散在性に少量のリンパ球、形質細胞が浸潤している。
腫瘍の場合の良性悪性の判定 悪性
コメント
乳腺腫瘤の標本では、悪性の乳腺癌と診断しました。猫の乳腺癌では、腫瘍のサイズが重要な予後因子となり、直系が3cm以上の症例では予後不良ですが、直径が2~3cmの場合には、中央値が約2年、直径2cm未満の場合は、生存期間の中央値は3年を超えています。本症例は、規にリンパ管への転移病変を認めていますので、さらなる遠隔部位への転移の可能性があり、予後に関しては要注意です。定期的な術野、付属リンパ節そして肺野の観察が必要と考えられます。
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[T53] クロマチン-体が元気になるならない物質
- 2007-02-12
- 発信元 : 体が元気になるならない物質
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