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猫の気も知らないで
ワタシは三次元の世界に生きています。
それなのに人間はなんで、このワタシが
木の上で立ち往生しているなんて考えるの?
登山家はべつとして、人間のほとんどが二次元的世界(平面的な世界)で暮らしている。犬もこの点では人間と全く一緒だ。つまり、彼らは二次元的なものの見方をするので、君が違うやり方で世界を眺めていることを理解できないんだ。猫にとって「高さ」は重要だ。猫の集団では、高いところを確保したものが支配権を握ることが多いものね。
人間の祖先はなかなか木登りがうまかったものだが、現代人は君たちに比べてはるかに木登りが下手だ。君たちは木登りに適した、出し入れのできる爪だけでなく、三次元世界の微妙な変化に敏速に対応できるバランス感覚も持ち合わせている。木に登った猫は、まず間違いなく降り方を心得ているのだが、人間にはそれが理解できないんだ。そのため、パニックに陥って君のために助けを求めたりしてしまう。
こうなると、君はもっと高いところへ、ひょい!だ。木の頂上で猫の死体が見つかるとしたら、他の肉食動物に運び上げられた場合だけだと断言しよう。
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「猫の気も知らないで」(ブルース・フォーグル著 ペットライフ社)p68-69より引用しました
目次:
1. 飼い主の本能を探る ―ワタシの行動の意味を、人間はぜんぜん理解していないのね。それなのに、いそいそと猫をペットにするなんてね
2. 飼い主の感情を分析する ―ワタシが好きだと言った次の日に、ポイッと捨てる人間の気まぐれな感情。その深層心理には何があるの?
3. 飼い主の弱点をつく ―君のためだ、とワタシの爪を抜く。映画に出しては、猫を悪役に仕立てる。「人間の都合」がどこからくるのか、暴いてやるわ
4. 飼い主と猫の健康相談 ―ワタシは飼い主といるとかゆくなるの。じつのところ、人間こそがワタシに害を及ぼしていて、猫は人間の健康に貢献しているのよ
5. 飼い主と猫との昔、いま、未来 ―もうすぐペット界の女王の座につくワタシ。宗教や習慣によって毛嫌いされてきた歴史は、本当に終わりを迎えるのかしら?
