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「がんを知る」ことの大切さ

病気になると、それまで空気のようにあたりまえに思えたことが、ほんとうはとても大切なことに気づき、まわりのものすべてに感謝の気持ちがわいてきます。ももはそういうことをひとつひとつ、私たち家族に教えてくれました。

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◇タブー視せず、知識を

連載を通して一番伝えたかったことは、「がんを知る」ことの大切さです。日本では、2人に1人が、がんになり、3人に1人(65歳以上では2人に1人)が、がんで亡くなっています。この割合は世界一ですが、日本人のがんに関する知識のなさは際立っています。まさに「がんがひみつ」になってしまっています。このため、連載では「がんで死なないためには生活習慣の改善とがん検診のセットが大事」「がんの完治には手術か放射線治療が必要」「転移のあるがんは治癒の可能性が少ない」「がんの痛みはとった方が長生きもする」など、日本人にとっての「がんのひみつ」を解き明かしてきました。

4月からは、新連載「がんから死生をみつめる」を始めます。平和で豊かな国、日本では、死に直結するものの代表選手が、がんといえます。世界一の「がん大国」である日本の国民が、がんを知らない、あるいは、知ろうとしないのは、「死を考えようとしない」からではないかと考えます。

がん検診や、がん患者の治療や経過に関する情報を蓄積する「がん登録」といった「がん対策のインフラ」が未整備であること、放射線治療が欧米の半分の患者にしか行われていないこと、医療用麻薬が米国人の20分の1しか使われていないことなど、がんに関する多くの問題の背景には、「死を正面から見つめない」日本人の生き方があるのではないでしょうか。

がんは、人間が生き物であり、その命に限りがあることを思い出させてくれます。新連載では、がんを通して、死とはなにか、そして生きることの意味をも考えていきたいと思います。重いテーマです。一方、死なない人はいませんから、すべての人に一番共通するテーマでもあります。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。=おわり(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

毎日.jp > ライフスタイル > 健康 > Dr.中川のがんを知る:実践編72止 連載のおわりに より一部を引用しました

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がんにおける「患者力」

緩和ケアがなぜ必要なのか、「患者力」という概念と言葉を用いてとても明快に説明している記事を見つけた。
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先日、東京大学の医師が緩和ケアについてのアンケート結果を記者会見で発表しておりました。そのなかで、「患者さんの80%が、最後まであきらめずにがんばりたいと考えている」と述べていました。アンケートの対象者が不明確であるので、コメントのしようがないというのが正直なところでしょう。しかし、よく考えてみれば、この結果は当たり前の話です。誰でも生き残るチャンスがあれば、それにかけたいというのは当然の願望だからです。

・患者力=患者さんの総合力
さて、07年4月に「がん対策基本法」が施行されました。この法律では「早期からの緩和ケアの必要性」がアピールされています。緩和ケアというのは、「患者力」という言葉を使うとよく理解できるように思われます。患者力の中心にあるのは「体力」「(体力の)予備能力」「免疫力」「気力」ですが、場合によっては「知力」とか「霊力(スピリチュアリティ)」も加わります。一言でいえば「患者さんの総合力」のことです。

・患者力の低下
がんと診断される時点で体調不良がある場合もない場合もあります。しかし、いずれにせよ病院で、様々な種類の検査を受けます。がんでなければ、今後の注意などを説明されて終わりますが、もし、がんであれば診断の結果と今後の治療方針を「告知」という形で医師から説明されます。早期からの緩和ケアというのは、告知時点からの緩和ケア(患者サポート)のことです。決して、痛みを緩和するというだけの意味ではありません。

がんは、決して不治の病ではなくなっていますが、告知されることは大きな意味を持つことになります。そのひと個人の人生が変わることでもありますし、人生観、価値観の変動、生涯計画、家族関係、社会関係すべてを見直すことになります。大きなショックです。当然、パニックに陥ったり、精神的ダメージを受けたりする可能性があります。これはとりもなおさず「患者力の低下」につながります。

・患者力を弱めるさまざまなつらさの緩和=「緩和ケア」
告知を受けて、次に本人がしなければならないのは正しい治療法を、納得して選択することです。そのためにも、速やかに正常な判断力、つまり患者力を回復しなければなりません。そのためには、いろんなサポートが必要です。何らかの薬に頼る必要も生じたりします。このように、患者力を弱めようとする様々なつらさを、種々の方法を用いて緩和することが緩和ケアといわれるものではないでしょうか。

・患者力の回復
また、がんの治療が始まりますと、体力や気力の消耗など患者力の低下がみられるようになります。このようなときにも、速やかな患者力の回復ががん治療を続けるために必要となります。たとえば、疼痛(とうつう)緩和をはじめとする不快な症状の除去もその一つです。疼痛緩和・症状緩和が不十分であると、患者さんにとって、こんなに自分はがんばっているのに報われないという達成感の喪失だけでなく体力、気力の喪失につながります。言いかえれば、疼痛緩和・症状緩和は患者力の回復に大きく貢献することになります。その結果、患者力は速やかに回復し、闘病意欲も高まることになります。

・患者力の強化
まとめますと、緩和ケアという概念は疼痛緩和だけではなく、患者力を強くする、という大きな意味を持っていることになります。今のがん治療は告知を前提として成り立っております。もし、この時点で緩和ケアが十分に活用できない場合には、以前からみられたように様々な問題が発生する余地があります。とくに医師に対する不信感は深刻な問題になります。患者さんの気持ちを結果的に無視してしまう、次の方策を提案できなくなってしまう、相互に信頼関係がなくなってしまう、そして最悪の事態として患者さんががん難民化してしまう、というように、患者と医師の関係が悪循環に陥ってしまう可能性があります。

・緩和ケアの啓蒙・普及
この問題は、実は、医師の側にも同じようにみられます。医師も不安に思っているのです。また、同じような不安の一種と考えられるのですが、一部の医師の中にむやみに麻薬を使うべきでないと頑(かたく)なに信じている方もいます。こういう医師側の不安面を解決するために、地域がん診療連携拠点病院を通して、がんに携わるすべての医師を対象に緩和ケアの講習会を開催して、緩和ケアの知識の普及に努めております。このことにより、緩和ケアの一層の普及と、少しでも早く緩和ケアが行える態勢づくりをめざしております。

残念ながら、医師不足の昨今、緩和ケアを専門とする人材も十分ではありません。したがって現状では、緩和ケアチームですべてをまかなえる態勢にないのは確かです。とくに全人的に患者を癒やすという方向性は、まだ端緒についたばかりで、あり方も含め今後の検討課題といえるでしょう。

(前弘前大学医学部付属病院腫瘍(しゅよう)センター長・同大学院放射線科学講座教授 阿部由直先生、弘前大学医学部付属病院緩和ケアチーム、同大学院麻酔科学講座講師 佐藤哲観先生)

asahi.com> マイタウン> 青森> 弘前大企画 がんの話(59)患者力高める緩和ケア(2009年02月27日)より引用しました


*小見出しおよびボールド(太字)による表示は、は当ブログ管理人によるものです。

がん「遺伝病」は誤解

漠然と、がん=遺伝性の病気でもあるように考えていた。しかし一卵性双生児が同じがんになる確率は10%程度なのだという。ハワイやブラジル移民の人たちを調べてみると、人種、遺伝よりも生活習慣の変化がもっともがんの発症に影響を与えていると考えられるという。

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◇生活習慣が大きく影響
がんは、簡単に言えば、遺伝子(DNA)の複製の失敗が原因です。遺伝子の複製ミスによってキズが積み重なり、「死なない細胞」が生まれます。そして、これを免疫機能が取り逃がして生き残った、たった一つのがん細胞が10年以上の時間を経て、検査で確認できる「がん」になります。

「遺伝子がかかわる」といっても、がんは「遺伝病」とは言えません。DNAの複製失敗、免疫の取りこぼし、というミスが重なった結果できる病気です。このミスの確率を左右するのは、喫煙、食生活、運動などの生活習慣です。特に、たばこは最もミスを誘発する要因です。たばこを吸わず、野菜中心の食事に心がけ、お酒や塩分を控えて、定期的に運動すれば、がんになるリスクを半分くらいにまで下げられます。このため、がんは「遺伝病」ではなく、「生活習慣病」と言えます。

ところが、社会には「がんは遺伝する」という誤解がまだあります。確かに、一家そろって、がんになった例は珍しくありません。たとえば、ご主人が家の中でたばこを吸えば、本人だけでなく家族もがんになる可能性が高くなります。そもそも、日本人の2人に1人ががんになりますから、3人家族の全員ががんになる確率は、計算の上では8分の1になり、珍しいわけではありません。

ハワイに移民した日本人の子どもたちは、2世、3世になるにしたがって、胃がんが減り、乳がんや前立腺がんといった欧米型のがんが増えます。ブラジルに移民した場合には、胃がんはあまり減らず、乳がんや前立腺がんもそうは増えません。ブラジルの食生活が欧米より日本に近いためです。人種や遺伝より生活の方が、がんの発症に影響を与えるのです。

また、一卵性双生児はまったく同じ遺伝子を持って生まれますが、2人が同じがんになる確率は10%程度です。もし、がんが遺伝病で、親からもらった遺伝子によってどんながんになるか決まっているのであれば、一卵性双生児には同じがんができるはずです。がんは生活習慣病なのです。
(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長) 毎日新聞 2009年1月27日 東京朝刊

毎日jp > ニュースセレクト > サイエンス > Dr.中川のがんを知る:実践編64「遺伝病」は誤解 より引用しました


がんの授業 -有限の命

中川先生のがんに関するお話。
がんについて考えることは、翻って「生きること」について考えることだとおっしゃっています。

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今年4月から、小学校で英語の授業が始まりました。しかし、現在の小学生の何割が、将来英語を必要とするでしょうか。一方、日本人の2人に1人が、がんになります。今の小学生が大人になるころは、それ以上の割合でしょう。夫婦や家族の単位で考えれば、日本人全員ががんを知るべきだといえます。

がんができる理由、つまり、がんは老化の一種で、世界一の長寿国・日本は世界一のがん大国であること、がんの最大の原因はたばこであること、早期発見のためにはがん検診が大事であること、自分で治療を選ぶことや緩和ケアの大切さなど、知るべきことは難しいことではありません。

しかし、毎日新聞の昨年の世論調査でも、「緩和ケアを知っている」のはわずか27%でした。まず、学校の先生にがんを知ってもらい、性の問題とともに、初等教育のなかで、がんを教えることが大事だと思います。この点は、前回触れた「がんに関する普及啓発懇談会」でも、大きなテーマになっています。

僕はがんの教育の必要性を訴える一方で、その実践にも取り組んでいます。今年1月、母校の高校2年生に、拙著「がんのひみつ」(朝日出版)をテキストとして「がんの授業」をしました。生徒たちは真剣に耳を傾け、「がんとのつきあい方で人生は変わる」「人はいつか死ぬからこそ、どう生きたかが問題だ」「がんで死ぬのも悪くない」という感想を送ってくれました。本当にうれしく、頼もしく思いました。

さらに、11月8日には、東京都国立市の中学校で全校生徒を対象に、「がんの授業」を行いました。子どもたちは、大人が思っているほど弱くはありません。「命には限りがあるからこそ尊いのだ」ということを、きちんと教えることはできるし、教えるべきであると思います。

がんを考えることは、生と死を考えることでもあります。がんを知ることで、自殺やいじめなどの問題についても、解決のヒントが見つかるのではないでしょうか。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
毎日新聞 2008年11月11日 東京朝刊

毎日.jp > ニュースセレクト > サイエンス > Dr.中川のがんを知る:実践編54 小学校から授業を > 「有限の命」尊さ教える より引用しました

患者さんの話を聴くこと

がん病棟専門看護師さんの話。
がんは不安や心の痛みのケアを適切に行うことで、患者自身がセルフマネジメント能力を高め、予後のQOL(生活の質)をよりよく保つことができるという。具体的には患者の話に耳を傾けること。それには聞く側にも訓練が必要とのこと。

がん診療拠点病院(全国)には、相談員(患者の病気体験を聴く専門家)が配置されてもいるという。

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個々人のこれまでの体験を医療者が聴くことで、患者さんは落ち着き、様々な症状にも自分なりに対処するセルフマネジメント力が高められることがある。

そのためには医療者が患者さんに命じるのではなく、患者さんに元々備わっている力を引き出せるようにサポートすることが大切だし、何より、患者さんが、医療者を「うまく利用」できるようにすることがポイントだ。セルフマネジメント力がついてくると、次第にうまく医療者を利用できるようになる、という好循環が生まれる。

けれども、現在の医療現場では、なかなか思いを切り出せない患者さんと、話を聴く時間を十分に取らない医療者が依然として存在し、患者・医療者のコミュニケーションに大きな溝が生じていることも事実である。

・相談員の利用を

大きな病院には多くの患者さんが通院されているが、専門分化しすぎている医療者は、その多くの患者さんの背景や価値観を理解する時間さえ持ち合わせていないのが現状だ。 現在、全国でがん診療連携拠点病院が指定され、その拠点病院にはがん相談支援センターの設置が義務づけられており、患者の病気体験を聴く専門家が配置されている。

患者さんは、その支援センターの相談員をもっと利用してほしい。主治医に聞いてもらいたいのに忙しそうなのでなかなか話せず、疑問も聞けないまま不安な気持ちで日々を送っていたり、友人や職場の同僚には到底話せない気持ちの落ち込みや、家族には申し訳なくて言えない治療の辛(つら)さで思い悩んでいたりする人のために、相談員は配置されている。

この相談員を利用されて、医療者に不安な気持ちや体験をぶつけてほしいと思う。 同時に医療者は、もっと患者さんの体験を聴く訓練が必要だとつくづく痛感している。 患者さんの体験を聴くこと、それは患者さんの力を高める「始めの一歩」だと、私は信じている。

asahi.com ライフ 医療・健康 リレーエッセー ~あたたかい医療 患者さんの話を聴くこと(2008年10月13日 井沢知子さん・京都大学医学部付属病院看護師)より一部を引用しました

がん治療とQOLの6つのパターン

動物は自分がどうしたいのか、ことばで飼い主に伝えることはない。でも、きっと動物なりに今日は病院に行きたくないとか、きのうより今日のほうがだいぶ気分がいいとか、また診察台の上で不安を感じてもいるだろう。

今までどおり、元気でいてほしい。でもそれがかなわなくなったら… 積極的な治療を考える際に、QOLの概念は動物においてもたいへんヒントになるように思う。

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私の座右の書に佐藤武男先生(注)が著した「闘うがん、闘ってはいけない癌(がん)」(徳間書店、1997年刊)があります。その本では、がん治療とQOLに六つのパターンがあるとしました。

多少、原文に手を加えてありますが、次の通りです。
 (1)全く治療せず、自然死を待つ。
 (2)積極的な治療により、一時QOLの低下がみられたが、最終的に生存した。
 (3)積極的な治療により、一時QOLの低下がみられたが、QOLの良化と一定の延命があった。
 (4)積極的な治療により、一定の延命は得られたが、QOLの改善はなかった。
 (5)積極的な治療により、延命もなくQOLも低下したままであった。
 (6)積極的な治療を行わず緩和ケアを受けることにより、QOLがよくなった。

がんの治療とは、QOLを一時的に低下させることである、ということがみえてきます。読者の皆さんのほとんどは、がんの治療というのは、苦しい思いをすることであると直感しておられることでしょう。残念ながら、この直感は間違ってはいません。

(1)と(6)は似ていますが、緩和ケアを受けると受けないでQOLが違います。

(2)の場合を詳しく説明します(図)。たとえば、手術でがんを切除しますと、がんのある臓器の全部または一部を一緒に取ってきます。

QOLの低下は、手術でキズをつけることと臓器の生理的機能(はたらき)が損なわれることが原因でおきます。手術のキズは数週間で回復しますが、生理的機能はなかなか元には戻りません。よく低侵襲(しんしゅう)手術と言いますが、これには、手術のキズを小さくすることと臓器を小さく摘出するという二つの意味がありますので気をつけて下さい。

放射線治療の場合は、臓器を取ることはないのですが、がんを放射線で治療すると同時に、がん周囲の臓器もキズがつきQOLの低下がみられることがあります。治療中におきることが多いですが、多少時間がたってからキズがはっきりすることもあります。抗がん剤治療の場合も同様に、治療によるQOL低下がおこります。しかし、これらの治療法により、がん細胞がなくなり、かつ臓器の機能が少しでも保たれていれば、その状態に慣れることでQOLの低下をおさえ、治癒することができます。

(3)では、残念ながらがん細胞をなくすことができなかったが、再発までの時間を稼ぐことができた場合です。

(4)と(5)は積極的な治療が裏目に出た場合です。残念ながら、このような事例は決してまれではありません。背景として、日本人は米国人よりも最後まで積極的治療を望む傾向があるという報告があります。しかし、QOLの低下している状態で、イチかバチかというがんの治療はありません。

(6)のように緩和ケアによりQOLを良くしながら、終末期を過ごす方が、かえって積極的な治療を受けるよりも延命することがあります。

このように書きますと、読者のみなさんはがん治療を受けることが、こわくなってしまったかもしれません。しかし、多くの方ががんの治療を受けられて生存し、延命しています。QOLの低下のしかたは治療法によって違います。逆にいえば、低下したQOLに耐えられる治療法が標準治療として選択されて残っています。ただ苦痛のみを与える治療法は治療とはいえません。またQOLの低下をやわらげるさまざまな方法が開発されてきています。わたしたち医療人は、患者さんのがんの状態、体の調子や治療後のQOLの低下をも考えた上で、最良かつ適切な治療法を提供しております。

万一、がんにかかった場合、まず「今の医療は昔より格段に進歩している」「医学医療は日進月歩である」ことを肝に銘じ勇気を持ってがんの治療に向かっていただきたいと思います。ただし、何でも前に進めばいいというものではありません。治療を受けることにより「とく」することと、「そん」することを担当医から聞いて、納得して治療を受けて下さい。「納得ずく」、いちばん大切な言葉です。(以下、省略)

〈注〉佐藤武男 大阪府立成人病センター名誉総長。数多くの頭頸(けい)部悪性腫瘍(しゅよう)を治療した。
(図)太線は積極的な治療により一時、QOLの低下がみられたが、最終的に生存した例。がんの診断と治療後の余命を横軸に、QOLを縦軸にあらわした=佐藤武男「闘うがん、闘ってはいけない癌」(徳間書店 1977)より

asahi.com > 弘前大企画 がんの話 > (26)生活の質(弘前大学大学院放射線科学講座教授 阿部由直先生/2008年05月23日)より一部を引用しました

QOLの低下とは

動物は無執着というか、無防備というかごはんから命に至るまで、すべてを飼い主にゆだねている。昨年、ももが通院していたころキャリーバックを膝の上に置いてよくこのことが頭に浮かんだ。病気になると、なおさらそう感じられる。

飼い主としては迷い、考え、選択していく。治療の副作用?麻酔?通院のストレス? 動物の場合これらは個体差が想像以上に大きく、病状にもよるようだ。どうしたら動物がしあわせに生きられるのか、QOLの概念に沿って考えるとわかりやすいかもしれないと思う。

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QOL(Quality of Life;生活の質)という言葉を聞いたことがありますか? 治療によってがんそのものが小さくなったとしても、その副作用で歩くことができなくなったら、QOLが高くなったとは言えません。むしろ低下したと言うべきでしょう。

QOLが低下するとは次のような場合を言います。
(1)患者さんの身体的、精神的状態が悪くなること。
(2)病気で日常生活に不自由を感じること。
(3)病気で日常生活に介助が必要になること。
(4)治療の結果として、日常生活に身体的あるいは精神的に負担がかかってしまう場合です。

asahi.com > 弘前大企画 がんの話 > (26)生活の質(弘前大学大学院放射線科学講座教授 阿部由直先生/2008年05月23日)より一部を引用しました


がんの痛みとは

がんには、体と心の2種類の痛みがある。

心の痛み(苦痛)とは、
・精神症状(不安、うつ状態、せん妄など)
・スピリチュアルペイン(=魂の痛み;人生観におよぶ深い悩み)
心のケア(治療)は
・傾聴が中心
・必要最低限の投薬

人のがんの場合、社会的な痛みや喪失感に心を痛めることが大きなウェイトを占めているようだ。

人間と比較すると猫はもともと単独生活者、イエ猫にもそれに近いものがある。動物にはとにかく愛情を注いであげよう。できる範囲で、QOL(生活の質)が低下しないよう工夫をしながら。

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「がん緩和ケア」における痛みのケアは、WHO(世界保健機関)で3段階の治療法が定められています。痛みが軽度の第1段階では頭痛・発熱にも用いる鎮痛薬を、中等度の第2段階では弱いオピオイド(麻薬)を、重度の第3段階では強いオピオイドを用います。

一般に麻薬には、中毒になったり、身体がボロボロになるという悪いイメージがあります。しかし、専門医の適正な麻薬使用で、そのようになることはありません。痛みが和らげば、麻薬を減量したり、服薬を中止したりすることもできます。

眠気や吐き気・便秘などの副作用がみられることもありますが、麻薬の種類を変更したり、副作用予防策を用いたりすれば安全です。他に局所麻酔薬を神経に直接作用させて痛みを和らげる神経ブロックという治療法もあります。特殊技術が必要で専門の麻酔科医(ペインクリニック医)により実施されています。

心のケアでは、不安、うつ状態、せん妄(身体不調により一時的な興奮・幻覚を生じる)などの精神症状から、人生観にも及ぶような深い悩み(スピリチュアルペイン=魂の痛み)まで幅広い苦痛を扱います。必要最低限の薬を処方することもありますが、まずそのつらさをじっくりと伺うこと(傾聴)が治療の中心になります。

これらの「がん緩和ケア」により、治療中の苦痛を和らげてこそ病気にしっかりと向き合うことが可能になります。(大阪府立成人病センター腫瘍精神科・脳神経科部長、柏木雄次郎先生)毎日新聞 2008年3月13日 大阪朝刊
第50話 痛みと心のケア 毎日.jp より引用しました)

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プロフィール

ロングテイル

Author:ロングテイル
名前:もも
1997年生まれ
毛色:茶色
好きなこと:
玄関脇のかさぎから空を眺めること、柿の木に登ること。

*このブログについて
(by ロングテイル)
物心ついた時から猫が大好きで、猫とともに暮らして30年以上。
2006年秋、もも(当時9歳)が鼻腔内リンパ腫と乳腺癌を同時に発症。
猫の病気や食事のあり方についての理解不足を反省し、このブログを作りました。特に、鼻腔腫瘍に対する放射線治療、乳腺切除手術と回復の過程について書いています。そのほかに、治療後の様子や日々感じたこと、病気について調べたことなどを書きとめていきます。

*主な内容は次のとおりです。
 ・鼻腔内リンパ腫の治療と予後
 ・乳腺切除手術後の回復過程
 ・がんの猫の食餌管理
 ・猫の乳がん
 ・おすすめの猫本
 ・ももの食事

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