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3/29、旅立ちました。
ほんの1時間前まで、元気でした。あっけない最期でした。
がんは治ったのに、ほかの理由で旅立たせてしまいました。乳腺がんとリンパ腫とを克服してまるで奇跡のような命をいただいたのに、それを守ってあげることができませんでした。
ももはいつもたくましかったので油断してしまいました。何しろ抗がん剤治療をしながら体重増加それも、ももの猫(人)生における生涯レコード(4.10kg)を達成したつわものなので…。その頃のキャリーバックはほんとうにずっしり重くて、大学病院は駅から5分と離れていないのに、途中何度も休憩しながら病院の建物にたどり着きました。主治医の先生からは、“健康優良児”のお墨付きをもらっていました。
最初に口から出血したとき(昨年暮れ)も、おびただしい量なのに本人はケロッとした顔をして前脚を胸の下に折り込んで静かに座りました。まるで出血によるダメージがなかったかのように… しかし繰り返される出血は確実に体力と生命力とを奪っていきました。
***
4年前、大学病院でお世話になった主治医の先生はとにかくすぐに次のアクションをされる方でした。たとえば、予約も来週あたりを見込んでご連絡すると明日とかあさってとかご連絡をくださいました。いまになってようやく、この意味がわかりました。
健康状態が良く体力のあるうちに手を打たないと手の施しようがなくなるからです。動物はどこがどういうふうに痛むのか、的確にことばで人に伝えてくることはありません。そのため、症状の原因や部位が特定できない痛みや不調は多々あります。その上痛みが続いていたり、処置をしても痛みがなくならない場合があります。そのときに手遅れにならないように、健康で体力があるうちに部位を特定して原因や痛みを取り除いてあげないと小さな体はまいってしまうでしょう。
「乳がんの悪性度はリンパ腫と同等」なのでできるだけ早い方がいいというアドバイスをいただき、鼻の放射線が終了した3週間後には外科手術を受け、「抜糸が済めばOK」なことから翌月にはいるとすぐに抗がん剤治療をはじめました。ももの小さな体はそうしてつなぎとめられ、回復しやがて以前と同じように生命力で満たされていったのです。
***
いま、ももは歯の痛みからも解放されて眼も見えるようになって、ごはんがいっぱい食べられるようになって、健康なときのももに戻っているでしょう。大好きだった柿の木に登って、屋根に飛び移り、自由に瓦の上を歩いたり寝そべったりしているでしょう。
お気に入りの場所だったかさぎの上に香箱座りをして、外を眺めてしばらく瞑想、そのうちに横座りになってくつろいでいるでしょう。夜、姿が見えないと思うと、ももはたいてい笠木の上に座っていました。夜になると涼風にあたって、夕涼みしていることもしばしばありました…。
これからもずっと、夕刻になると、笠木の上から帰宅する家族を見守っていてくれますように。

かかりつけの先生からいただいたお花
4年経ちました!
長いようで早かったこの1年。
命はいただきもの、ももを見ていてつくづくそう感じます。ももは1460日生存※することができましたが、はじめは3ヶ月、半年とすぎ、翌年からは1年、2年…というふうに時間を重ねていきました(※単純計算ですが、365x4)。
4年前「あと半年くらいかもしれない」と思った時から、それまでとはぜんぜんちがう時間が流れ始めました。たとえば、新しい年の始まり、桜の咲く時期、新緑、紅葉… 節目ごとの移り変わり<時間>の積み重ね、流れ、重みに、より一層感謝するようになりました。
新しい年も変わらずにももが伸び伸びと自由に暮らしていけますように。そして、すべての動物たちが飼い主さんとしあわせな時間を過ごすことができますように。
みなさまよいお年をお迎えください!

大学病院へ
暖かくて静かな年の瀬。
大学の周囲にはけやきの大木(街路樹)があり、葉がすっかり落ち空は真っ青で気持ちのいい日でした。

脱水状態
先月かかりつけの病院で撮ったX線を持参したところ、画像診断がご専門でもあるF先生はももの肩甲骨のあたりの皮膚(被毛)をつまんで放し、戻りが緩慢なので脱水症状ではないかとおっしゃいました。こういう時は輸液で水分を補うのがいいのだそうです。側面から撮った画像には、それを裏付けるような細くなった血管が第7肋骨の脇に写りこんでいました。
検査結果
凝固系の検査はクリア、問題ないそうです。ももの顔のX線を撮ってくださいました。上下顎が別々の2枚に、まるで標本のようなももの“歯型”がきれいに写っていました。(どうやって撮ったのだろう?口にフィルムを噛ませたのか?顎の下にフィルムをセットしたとか…?)
T4が上昇、チアマゾールを増量した方がいいそうです。肝臓関連数値は上昇。出血のときに右口角に引っかかってた線維状の組織を見ていただくと、口腔内の出血箇所のものだそうです。
出血原因
ももは甲状腺ホルモン値の上昇によって血圧上昇、血管壁が脆くなっているので歯の痛みのあまり爪で口腔内の血管を引っかいて、そこから出血したことが考えられるそうです。たしかに、2回目の状況からは血管からドボっと出た感じがします。消化管や血管系破綻による出血ではないそうです。
F先生のお話では口の周りに触れるとかなり痛がるので、相当歯の痛みがあると思われるとのこと、歯の痛みを取ってやることで本人も痛みから解放され、食事の後痛みのために前足で宙を掻く動作が減る、もし同じ状況が続くようであれば痛みに対する処置をすることが先決だそうです。痛みを取るにはステロイドの強力な抗炎症作用が有効で、その代わり、肝臓の数値は上昇するとのことでした。

猫24頭のデータより
鼻腔腫瘍でN大学を受診した猫のデータによると、放射線治療後の生存期間の中央値は204.5日、無再発期間の中央値は98日だそうです(2005年~2009年までに鼻腔腫瘍で受診した猫24頭のデータによる)。このデータはもももご協力させていただきました。
同じころ治療を受けた猫さんたちの半数は、その後約3ヶ月程度で再発、それから100日余りで亡くなっていったと考えられます。本当にそうだったんだ~ 治療後かかりつけの病院の先生方はみなももの余命は3ヶ月~半年と捉えているようでした。データどおりだから無理もありません。
口腔から出血・3回目
ももは相変わらずけろっとしており、重篤な病気の兆しでもなさそう… でも、もう3回目。

つつがなく新しい年が迎えられますように。
口腔から出血・2回目


すぐにF動物病院へ電話。猫の口腔疾患がご専門のF先生がお留守なので別の先生に診ていただくことにしました。しかし出血した部位、原因等は特定できず対症療法の投薬となりました。ただ、診ていただいたS先生はこんなふうにおっしゃっていました。
ごはんを食べると歯や歯の周辺に違和感があるようで、いつも前脚で宙をかく動作をする。その時に、前脚・親指の爪が奥歯、歯ぐきまたは口腔のどこかに引っ掛かるように思うとお話しすると、「親指の爪は、奥歯に届きません」とS先生。そういわれてみればそんな気もします。猫の口は人間の顔の比率に比べるとかなり大きめ、でもヒトのように扁平な顔立ちではないので(鼻と口が前へ尖っている)、口角から奥歯が見えません。口角を指で引っぱってやっと臼歯が見える程度。
S先生の給餌アドバイス
・フードが患部に当たって刺激、痛みとなり出血の可能性があるので、ペースト状または流動性の高いフードにする。→a/d(ヒルズ)とAPPE(液体のフード)を推奨
その他
・麻酔ができず抜本的な治療ができないため、投薬で患部周辺の炎症、止血、痛みを抑える
ほんとうは麻酔ができれば処置をしたいのですが、先月検診ではGPTの数値はさらに高止まりしており抜本的な治療はしばらく無理そうです…。
猫缶とあじ水煮をペースト状にする
アニモンダとあじ水煮を、a/dと同じくらいのめらかさを目指してスプーンでペースト状にしてみました。アニモンダはけっこう近づけましたが、あじもかなり細かくはなりました。はじめ、ももはやや躊躇したものの、アニモンダ+a/d=半々づつをきれいに食べました。猫は食べのもにうるさいので一安心。ペースト状にしたことで、明らかに途中歯や口の中を気にするしぐさが減り、よりスムーズに食べていました。

処方されたお薬:
ビブラマイシン(水薬)1日2回 …抗生物質
トランキサミン散 1日2回 …抗プラスミン剤(止血)
ビタミンK 1日1回
フード
ヒルズa/d 166kcal/缶
APPE(アペ)犬猫用栄養補完食 約150kcal/缶
その他
エリザベスカラー(S) ←ごはんの後、ビミョーなときだけ巻こうかな~
S先生、ありがとうございました。

本日の体重:2.92kg
口腔から出血・1回目



かかりつけの先生に診ていただくと、出血部位は特定できず、左上顎(歯頸部吸収病巣の疑いあり)奥歯あたりからの出血ではないかとのこと。血が唾液に混ざると出血量が実際よりも多く見えるのだそうです。
対処方法は、カラーをつけるか親指が隠れるようにテーピングをすること。茶色い前脚に白い医療用のテープを巻くとすぐに歯で噛んではがそうとするもも…。ワンちゃんなら、たいていそのまま大丈夫だそうです。「この子はだめかな~」ということで、テーピングをあきらめました。爪の長さは適当、これ以上短くする必要なないそうです。
ぜんぜん、ちがう話ですが…
待合室のプレート
「当院は痛みを最小限に抑えた手術を行います。詳細はおたずねください。院長」もしかしたら、以前から同じ場所にあったのかもしれませんが、こんなプレートが待合室・小窓のところに立てかけてあることに気づきました。
4年前、ももの乳がんの外科手術をお願いしたときも、翌朝、手術後の様子を電話でおたずねすると、まずはじめに術後の疼痛管理について話してくださいました。縫い合わせた傷口にドレーンを挿入、そこから鎮痛剤が染み出しているので痛みをコントロールできていますと。プレートをみてそのことを思い出しました。
以前、獣医専門誌で獣医外科の権威を海外から招聘した学会で、院長先生がその通訳をされていた記事を読んだことがあります。確か言葉を話せない動物の外科手術における疼痛管理をどのようにしたら適切に行えるかといった内容でした。
術後の痛みに耐えかねて傷口を食いちぎってしまう場合があるというぞーっとするような話を見聞きしたことがあります。動物はどのように痛いのか言葉で伝えられないのでかなり重要な分野。いつか待合室で、ベテランの飼い主さんから院長先生は手術が上手いと実際のワンちゃんの経験を交えて話を聞いたことがありました。ぜんぶの情報が繋がったような感じがしました。
本日の体重:2.93kg
毎日、ホットタオル&点眼
ホットタオルの仕方:
不要になったハンドタオルやタオルケット(生地は柔やかめ)を10x15cmくらいに時間のあるときに切っておく。タオルをポットの熱湯に浸して端を持って絞る。使用する前に広げながら皮膚に触れても大丈夫な程度に冷ましておく。
ホットタオルをすることをももに伝えてから、顔にタオルを近づける。*左目失明してから物音や人影、左側からの接触に敏感になっているため。細くたたんだタオルを片方の目に当てる。そのうちにももから顔をタオルに押し付けてくる。しばらくそのままで今度は顔を引いてくる。
タオルの蒸気が皮膚に伝わり目の周りがしっとりするのを見計らって、軽く目の周りを拭う。固まって付着した分泌物が取れる。
点眼:
中腰、歩いている、四足で立っている姿勢のときはほとんどダメ。香箱座りしているか少しウトウトしているときなどが狙い目。
一番いい方法は、同じ方向を向いてももが隣に香箱座りをしているときに顔をやや上向き加減にして、上まぶたを額方向にやや引き点眼するとたいていうまくいく。
獣医眼科のK先生を受診 2010/12
モニターに映し出される目を見ると、右目の上まぶたの縁が拡大するとギザギザしていました。「びらん」状態だそうです。血行が悪く放っておくと組織がますます痩せていくので、左目と合わせてホットタオルで血液循環を促し目の周りの血行を改善してあげるようにとのことでした。
眼球が萎縮、適度な涙の分泌が減少、角膜が乾燥気味で傷が付きやすくなっているので、涙と同じ成分の点眼で角膜に皮膜を形成、保護する(右目)、萎縮がかなり進んでおり、空いたスペースに細菌がいないかどうか検査、その結果によって点眼薬を処方してくださるそうです(左目)。
所見:
左:結膜嚢内に貯留している分泌液の感受性試験を行い、細菌が生えていたら同定検査を行う。眼球は萎縮し陥凹しているので、液状の点眼の方が使いやすい
右:角膜びらんにより角膜表層は荒れている。眼瞼縁の瞼板萎縮のため涙の成状の劣化、量も減少しているため角膜表面の恒常性が保てない
ホットタオルのススメ
目の周りの血液循環を改善、良い状態を保ち汚れをとり清潔に保つために毎日行うこと。ホットタオルを当てる時間は、K先生によるとたいてい猫の方から嫌がって顔を背けるのでそれに合わせると良いとのことでした。強くこすらないこと。汚れを拭こうとしなくても、ホットタオルの熱と水分とでタオルにくっつい取れるそうです。
本日の体重:2.95kg
定期検診 -抗がん剤治療終了43ヶ月経過(2010/11月)
・血液検査
・X線撮影
・診察
リンパ腫、乳腺がんを発症してから4年が経過。半年ぶりに、かかりつけの先生にももを診ていただきました。X線はきれいで影ひとつなく触診もOK。
治療開始当初、医学的知識がぜんぜんなく病理検査結果にあったリンパ節に浸潤=転移は時間の問題のように思っていましたが必ずしもそうではないようです。猫にとっての4年間(※放射線治療を終えてから:2006年12月~)は、ヒトにたとえれば20年くらいに相当。ももはどうやら猫(人)生の一大事を乗り越えてくれました。
体重減少
元気もあるしごはんも食べている、ひとつ心配なのは体重がぜんぜん増えないこと。減ることはあっても決して増えません… 体重減少がどうか止まりますように。
久しぶりに車に乗って、病院へ。


ももはきっと気づかれしたのでしょう。帰ってくると、トイレにも行かずごはんを食べるとそそくさと2階へ。そのあとずっと夕方まで寝ていました。
本日の体重:2.96kg
<血液検査結果> 2010/11/29
検査項目 - 参考正常値 - 検査値
ヘマトクリット 24-45% 34
赤血球数 500-1000* 787
ヘモグロビン 8-15g/dl 12.5
MCV 39.0-55.0 fl 49.3
MCH 12.5-17.5 pg 15.9
MCHC 30.0-36.0 g/dl 32.2
総蛋白(TS) 5.4-7.8g/dl 6.7
血小板数 30.0-80.0* 44.6
白血球数 5500-19500/μl 11300
血糖 41-153 mg/dl 92
総コレステロール <224 mg/dl 160
尿素窒素 12-41 mg/dl 26
クレアチニン 0.7-2.5mg/dl 1.0
総ビリルビン <0.4 mg/dl 0.2
GOT <45 IU/l 103 ← 83(前回)
GPT <86 IU/l 504 ← 351(前回)ALP <151 IU/l 141 ← 55(前回)
単位:
* 10 x 4乗/μl